okappaさんインタビュー/soramido

空と緑のくらし店『soramido(ソラミド)』内コンテンツ

東京から愛媛県の佐島へ移住したユニット『okappa』さんインタビュー

取材・執筆・撮影を担当しました。

たくさんの出会いが結んだ、"豊か"な暮らしへの一歩 2/4 | 空と緑のくらし店(ソラミド)

自分たちの力で"暮らし"を作りたい 長野県の大学に通っていた私は、そこでの4年間の暮らしが大好きでした。東京の会社に就職してからも、2ヵ月に1回のペースで遊びにいくほど。高校生までアスファルトが広がる名古屋の街で育ったから、長野で見たむき出しの地面が新鮮で……将来も土が見える場所で暮らしたいと思ったんです。だから「いずれ自分は長野に住むんだろうな」と、なんとなくイメージしていました。 もともと"暮らし"に興味があった私は、家をつくることに関わりたいと思っていたんです。でもまだ、どんな家をつくりたいのかまでは思い描けていなかった。だから、まずはいろいろな形の"暮らし"を生み出す現場を見てみたくて、ゼネコン業界に就職。設計の仕事に就きました。4年ほど働いて、そろそろ次のステップを考えてみてもいいかなと思っていたとき、あるご夫婦に聞いたお話がすごく響いたんです。 東京から千葉の古民家に移り住んだそのご夫婦は「この家に帰ると生きている実感が得られて、心身ともに健康になるんだよ」と話してくださったんです。家には、人間としての本来の感覚を呼び起こす力があるんだと実感。それで私も、暮らす人が元気になるような家を提供したいと思えました。次のステップとして、個人住宅を手がけている設計事務所を探し始めたころ。友人の紹介で、佐島の古民家ゲストハウス『汐見の家』のオーナーさんに出会いました。 当時はまだ、『汐見の家』ができる前。オーナーさんが近所に住んでいたのもあって、「ゲストハウスをつくろうとしている面白い人がいる」と、共通の知人が紹介してくれたんです。そこで初めて佐島を知りました。その後、オーナーさんとの出会いをきっかけに、2016年の2月に佐島をおとずれます。当時は自分が住むなんて思っていなかったんですよ。でも、2016年の9月に東京でふたたびオーナーさんに会うと、「空き家が2軒くらいあるんだけど、由梨ちゃん改修やってみない?」って、声をかけてくれたんです。すぐに「やりたい! これは行くしかない!」と思いました。

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たくさんの出会いが結んだ、"豊か"な暮らしへの一歩 3/4 | 空と緑のくらし店(ソラミド)

きっかけが違っても、気持ちは同じ 彩美 :私たち二人が出会ったのは、2016年の10月。それぞれが佐島に住むことを決めて、何をしながら暮らそうか模索しているころでした。「ちょうど佐島に行こうとしている同い歳の女の子がいるよ」ということで、古民家ゲストハウス『汐見の家』のオーナーさんに紹介してもらったんです。 由梨 :協力できる関係になれればいいなと、なんとなくは思っていたけれど……初めて会っていきなり「一緒にやろう」とは言えないので、最初はお互い探り探りの状態。でも、せっかくだからもっと話してみたくて、出会いから数日後に改めて二人でご飯に行こうと誘ったんです。私の好きな空間を気に入ってくれたら趣味が合うかどうかわかると思って、お気に入りのお店へ一緒に行きました。 彩美 :そのお店が本当に私の好みで、いまは個人的にもリピートするほど。それに、ご飯を食べながら、どんなことが好きなのかお互い話してみると、価値観がすごく似ていました。それぞれ移住のきっかけはまったく違うけど、"暮らし"を大切にしたい気持ちは同じ。野菜がどうやって育つか、旬はいつか、どうすれば美味しく食べられるか──知らなくても生きていける人はいっぱいいます。でも私たちは、そういうのも大切にしながら、身の周りのものは全部自分たちでつくりたいんです。そのあたりの感性も見事に一緒でした。 (右)二人を結んだ古民家ゲストハウス『汐見の家』のフライヤー(左)打ち合わせ内容などがメモされたノート 由梨 :ご飯を食べてから数週間後、今後は二人で古道具屋さんめぐりへ。そのときも、好みが似ていて面白かった。まだほとんど初めましての人と二人きりだったのに、行き当たりばったりにお店をまわってもすごく楽だったんです。きっとこれが男女だったら付き合っていたんだろうな……と考えると、ちょっと惜しいですけど(笑)。その日をきっかけに、協力しながら佐島で暮らせたらいいなと思えました。 彩美 :いまはまだお互い身軽だけど、数年後にはどうなっているのかわかりません。もしかしたら、それぞれ別のことをやっているかもしれない。でも、それはそれで自然なことだと思っています。

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たくさんの出会いが結んだ、"豊か"な暮らしへの一歩 4/4 | 空と緑のくらし店(ソラミド)

自然に人が集うような場所をつくりたい 由梨 :okappaを結成してからは役場への打診など、移住に向けた準備を本格的に始めました。2016年の12月に私一人で佐島へ行ってきたときは、借りる予定の古民家を見に行って、管理人さんにもご挨拶。建物の寸法を測らせてっもらったり、役所の方に会いにいったり、下準備を進めてきました。2017年の1月に、今度は彩美ちゃんがまた一人で行って。 彩美 :2017年の2月に初めて二人一緒に行ったときには、島の方たちが方言でしゃべってくれるようになったんです。「こっちに来るの、そろそろだね」みたいな感じでフランクに接してくれたのが、すごくうれしかった。 由梨 :たぶん「この子たちは本当に島に住むつもりなんだな」って信じてもらえたのかなって。 彩美 :きっと最初のうちは「本当に来るのかな」って気持ちをどうしても持ってしまうはず。でも、何度か島へ行くうちに少しずつ信頼関係ができていくようでほっとしました。滞在中は、私たち二人が出会うきっかけにもなった古民家ゲストハウス「汐見の家」に泊まって、ご近所さんたちと一緒にご飯を食べることもあったり……島の人と接する機会にも恵まれていたと思います。 由梨: 同じ日に泊まっていたほかのゲストさんとも、移住や島のことについていろんな話ができました。おかげで、考えも、人とのつながりも広がってきたんです。なかには、東京で再会した人もいるんですよ。移住後に使うクルマを探していたとき、「安く譲ってくださる方いませんか?」とFacebookで呼びかけたら、周りの知り合いにまで聞いてくれた方もいたりして。 彩美 :周りの人たちが良い情報をくれたり、すごく応援してくれて、とてもうれしく思っています。 ノートには打ち合わせの内容やリサーチした情報がびっしりとメモされている

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Sasanuma Kyoka

フリーランスライター/エディター 笹沼杏佳(ささぬま きょうか)のWebサイトです。